Twitterに投下してる140文字の小説(ついのべ)まとめ。適度に追加。
だいたい原文ままですが、改行位置と誤字、ダッシュ(―)関係は修正してます。
数字=何番目に投稿したか。日付などは投稿日時、クリックで原文に。その下の行反転で、分類/関連/詳細 表示。
LastUpdate:0:53 2012/11/28
51.
連休明けのけだるい午後。眠いだけの授業にうんざり、うつらうつら短い夢をみて。
「――」「はい」 とあるやりとりにふっと意識が戻る。
指名された声が朗読を続けて、にやける顔を隠すため、狸寝入りを続けた。 #twnovel
- 2012/05/11 19:29:34
現代/放課後/授業中、届く君の声。
50.
壊れた世界の片隅で少女が一人歌っていた。晴れた青空、調子外れの歌が響く。
少女は繰り返し同じ歌を口にした。狂った時計が13分を指し示しぽっぽと鳩が3回鳴いて「オカえりナさイ!」少女の声が虚空に消えて。
カラリ、カラカラ。あとに残るはぜんまい仕掛けの人形ひとつ #twnovel
- 2012/05/11 19:17:21
FT/単発/壊れた人形はひとり歌う
49.
#twnovel ちらり舞い散る白い花。あの時みたいと微笑む君に、また行こうと声かける。
ひらり風に吹かれて白い花。君の掌ふわりと落ちて、あっという間に溶け消えた。
なりそこなった言葉がひとつ、吐息と一緒に空に消えた。
- 2012/02/27 19:46:00
現代/放課後/守れなかった約束一つ
48.
読書する老人、携帯を弄る青年、寂しそうに外を見る子供。
そんな僕らを乗せたたんたたんと電車は走る。
単調で心地よいそれは眠りを誘い、その先が良い処で在ることを願い瞼を閉じた #twnovel #twnvday
- 2011/10/14 21:43:05
現代/単発/ついのべお題「鉄道」
47.
例えば髪が白くなって顔に皺が刻まれて、そうなっても彼女の手料理食べたいな、なぁんて思う。
そんなことを考える僕にどうしたのって上目遣いで言うキミが愛おしい。
どうかいつまでも共に在れますように。星に願って、それから、彼女の頬に触れた #twnovel
- 2011/07/21 19:47:55
現代/単発?/↓のたくあん関係。
46.
とんとんと包丁を操る手はまるで魔法のように数々の料理を生み出す。
ロクに料理ができない僕は余計にそう思う。
最後の仕上げとばかりに差し出されたのはたくあんで、
同じ皿の料理をつまめるこの幸せに感謝して食前の挨拶の後、黄色いそれに箸をのばしたのだ。 #twnvday #twnovel
- 2011/07/14 00:09:40
現代/単発/ついのべお題「たくあん」より。奥さんの不思議な手
45.
そっと受け取った君はふにゃふにゃして正直怖かった。だけど腕に広がる温もりに君と彼女に感謝した。
あれからどれだけの時間を共に過ごしたかな? 泣いて笑って…僕はとても幸せだ。
だからそんな時を過ごせることを祈ります。
君と君が選んだ人が歩むその道に祝福がありますように… #twnovel
- 2011/06/14 08:17:33
現代?/単発/ついのべお題「あれから」より。旅立つ子へ祝福を
44.
家の中まで届いた日差しは温かく気づけば窓辺のソファで、気づけば転寝していたようで。
足元に積まれたクッションの上で、その子は猫のようにまぁるくなって眠っていた。
安心しきったようなその寝顔にふっと笑みが溢れる。
どうか良い夢をと願いを込めて、そうっと幼子の額に触れる #twnovel
- 2011/05/23 23:34:54
FT/工房/穏やかな日々、楽しい夢を
43.記録として
42.
「辞めよ…」失敗した帰りそう呟いた時幼い泣声が聞こえた。
「大丈夫?」と声を掛ければ、幼い子は迷ったと訴える。「朱い門の家」と拙い説明に辛抱強く付き合い「家」に着いたのは夜の始まり。
朱い門は闇夜に煌々と浮かび「お礼に貰っていくね」と声は鳥居の奥に消え去り、私は。 #twnovel
- 2011/02/26 18:34:49
現代/単発/迷い子は迷いをもって立ち去って
41.
風に揺れるブランコは塗装が剥げ錆が浮かんでいた。
子を呼ぶ声を耳に、ギィと泣くそれに腰掛けた。空はゆっくり、だが確実に青から赤に色変える。
そこに浮かぶ雲は夕日を受けて茜色に染まり、ビルとマンションの谷間に太陽は燃え落ちる。
そんな少し寂しさを覚える時間が好きだった。 #twnovel
- 2011/02/26 18:12:02
現代/単発/夕焼け空、青と赤のグラデーション
40.
ふとした瞬間、君を追っている自分がいる。
授業中や休み時間、放課後たわいもない会話を交わしながら見上げる時。
そんな時、君のことが好きなのだと気付く。
答えが怖くて言えない、そのたった一言を、口に出来たならどんなに楽になれるだろう? #twnovel
- 2011/02/22 15:19:43
現代/放課後/咲から京へ、好きだと言えればいいのに
39.
吐き出す息から白さが消えたのはいつだろう?
寒さに震えながら電車を待っていたのは。
気がつけば日向は優しい温もりに包まれ、時間の流れの早さを思い知る。
未だ冬を色濃く残した並木道も、そろそろ春を告げる時分だ。 #twnovel
- 2011/02/22 08:20:45
現代/単発/暖かな日差しのなかで
38.
がさりと袋を鳴らせば、待ち構えていたその子はリンと鈴の音を響かせ足元に擦り寄ってきた。
甘えた声でねだる姿はとてもかわいい最愛の我が子。
今日もがさがさ袋を鳴らせばどこかで鈴の音が響いた。 #twnovel
- 2011/02/22 07:54:03
現代/単発/にゃんにゃんにゃんの日なので
37.
持って行ってもらおう、そう思ってカラフルな絨毯の上にその紙をばらまいた。
楽しかったこと、早くお泊りに行きたいこと、ずっと長生きしてほしかったこと。
大好きを込めたたくさんの手紙を大切にしまってくれていたその人に、また読んで欲しかったんだ。
今も貴方が好きなんだよ? #twnovel
- 2011/02/09 22:04:16
現代/連作/36の続き。棺に捧げる手紙
36.
『おたん生日おめでとう!いつまでも元気でなが生きJてください』
箪笥の奥、しまわれた黄ばんだ紙束のうちの1枚。
大きさもばらばらな子供の字が並びケーキを前にした白髪らしい女性の絵が添えられて。
大切にしまわれたそれはずっと昔に渡したある種のラブレターだった。 #twnovel
- 2011/02/09 22:02:24
現代/連作/37へ続く。仕舞われたのは過去の手紙
35.
「好きだったよ、君のこと」
胸の裡で燻っていた言葉を吐き出せたことに少し安堵した。
想いを伝えようと思った時は既に手遅れで、どんなに叫ぼうとももう君に届くことはない。
もし好きだとひとことでも伝えていたら、少しは変わっていただろうか?
今も隣にいてくれただろうか? #twnovel
- 2011/01/19 21:38:10
現代/放課後/京から咲へ
34.
「あ」思わず呟いた先、懐かしい絵本を見つけた。
小さい頃何度も何度も読んでもらった物語。手に取りぱらぱらページを繰れば覚えのある話と絵で…。
「ありがとうございました」
ビニール袋片手に、店員さんの声背に受けた。 #twnovel
- 2011/01/12 12:45:02
現代/単発/思い出の絵本
33.
無防備に晒された寝顔は僕の理性を試されてるのかな、なんて。
異性扱いなんて遠い夢、子供扱いが精々で。安心しきった寝顔に、悪戯したくなる。
僕はこんなにも貴女が好きなんだ、だから……あまり無防備な姿は見せないで。
そう呟いて投げ出された手首に、そっとキスをした。 #twnovel
- 2011/01/11 20:18:14
FT/魔女/欲望を隠してキスをする
32.
時計を見れば午後23時59分。
終電間際の電車、つり革を握る男は、通り過ぎる街並みにはぁと溜息をつく。
「嫌になっちゃうな、最近の家ガード固てぇもん」
時計の針が頂点を指した時「めりくりー」気のぬけた声で呟いて、仕事のために到着した駅に降り立った。 #twnovel
- 2010/12/25 00:02:51
現代/単発/残業中のサンタさん
31.
視線を交わすだけで思いが伝わるならどんなによかっただろうか。
「……っ」
言いたかった言葉は詰まったように出てこなくて、零れたのはただの音だった。
キミは不思議そうに首を傾げて「帰ろうか」と口にする。
いつか……友人としてではなくキミの隣を歩くことができるだろうか? #twnovel
- 2010/11/26 21:41
現代/放課後の教室/ケイからサキへ告げられない思い
30.
#twnovel ふと見上げた夜空、
建物の合間に見える二つ月。
寄り添うようなそれに、私達みたいだと呟いて、握った手に少しだけ力をこめた
http://twitpic.com/302iyl
- 2010/10/23 19:31
FT/単発/いつまでも一緒にいたいね
29.
『この世界は決して優しくはないけれど、
どうか君の歩む道程に祝福がありますよう、遠い地より祈っています』
なんとか書き終えて、便箋と同じ空色の封筒にしまう。
隣で眠るその寝顔を置いて逝くことに罪悪感を覚えた。
そんなことを望んでいないのに、世界は、運命は、残酷すぎた。 #twnovel
- 2010/10/22 18:58
FT/27-29で連作/遺す子へあてた手紙
28.
死んだ人は星になる、そう聞いてから夜空を見上げることが増えた。
両手と両足がいくつあってもたりないくらいの星の、その何処かに母がいるのだと。
手紙にあった<遠い地>というのは星のことだと信じていた。
寂しかったのだ。母を奪った残酷なこの世界が酷く憎かった。 #twnovel
- 2010/10/22 22:17
FT/27-29で連作/世界を憎む子
27.
世界は決して優しくはない、だけど優しさが満ちていた。
黄ばんだ封筒は母の瞳と同じ色、掠れて読み難い文字は残り僅かな灯火の中僕の為に必死に書いたからだ。
父は不器用なりに精一杯愛してくれて……。
世界は酷く残酷だ。
だけど気付かなかっただけでとても優しいもので満ちている。 #twnovel
- 2010/10/22 22:34
FT/27-29で連作/それはすぐそばに
26.
旅立つ時に渡されたのは簡略化された国内地図と虹と同じだけの色鉛筆だった。
どちらも僕らには少し値が張るもので、けれど両親は笑顔でおくってくれた。
行った場所聞いた町気に入った所が書き込まれた僕だけの地図。
旅立った時より彩られた地図を手に久々に故郷に帰る。 #twnovel
- 2010/10/14 08:36
FT/単発/旅人へ
25.
その人は朝に弱い。放っておけば昼前まで夢の中だし、起きても暫くは寝ぼけてる。
…それが僕の前だけだと知ったのはいつだったか。
他人のそばで眠れない、そう知った時喜びを覚えた。
無防備な寝顔を見せる彼女には、この気持ちは教えられない #twnovel
- 2010/10/13 14:59
FT/魔女/それは酷く昏い喜び
24.
夕日を受けて鈍く光るジュースの缶。
爪先で蹴ればからからんと耳障りな音を立てアスファルトを転がった。
今の子供は缶蹴りを知らないらしい。
遠い子供時代を思い出し、寂しく転がるそれを拾いあげ、ごみ箱に放り込んだ。 #twnovel
- 2010/08/26 12:18
現代/単発/夕日のなかで
23.
遺品の整理中、色褪せ擦り切れた布に包まれた2冊の日記を見付けた。
1冊は結婚した頃のことが中心でもう1冊は子供を授かって以降。
本棚に同じ装丁のものがあったがそこだけ抜き出したらしい。
何度も読み返したのか酷く傷んだ本を胸に遠い母に感謝を告げた #twnovel
- 2010/08/18 11:05
創作/-/遺品整理の中で
22.
「ばあちゃんに会いに行こう」麦藁帽子と水筒を手に家を出た。
写真でしか知らない祖母だけど、隣で語る声はいつにもまして優しくて。
蝉の歌をBGMにふたり歩く夏の道 #twnovel
- 2010/08/13 09:52
現代/単発/お盆、お墓参りに
21.
養い親は年若い魔女だった。海と夕焼け空の瞳の美しい銀髪の女性。
最初の宣言通り成人するまできっちり面倒をみてくれたその人は間違いなく僕の初恋の人だ。
もっとも……その彼女は時を渡る魔女で、軽く200年は生きているのだけど。 #twnove
- 2010/08/12 11:51
FT/魔女/愛に歳の差なんて関係ないのだ
20.
茜色に染まる石畳の街路を歩く。
手を引く女性は見上げる視線に気がつくとにこりと笑いつないだ手に力を込めた。
「いろいろ不安だと思うけど、落ち着くまでゆっくりしていいからね。
あなたは誰よりも自由で誰からも縛られないでいいんだから」 #twnovel
- 2010/08/11 15:32
FT/魔女/事件の後、魔女の家へ
19.
遥か昔、バベルの塔が崩れ落ちるまで言葉はひとつだったという。
もしも塔など建てなければこうして真っ白な便箋の前に苦戦などしなかっただろうか?
思い人は海の向こう。
日本人並に日本語は達者だけどできるなら、ねぇ?
その言葉で思いを伝えたいじゃない。 #twnovel
- 2010/08/11 09:29
現代/単発/伝えたい思い、言語の壁を乗り越える
18.
テーブルをころがるガラス玉。ラムネから取り出したそれには逆さまの世界がうつっている。
今見える世界も、他の人からはガラス玉にうつるように見えているのかもしれない。
指先ではじいた小さな世界は床の上にころがった。 #twnovel
- 2010/08/10 12:30
-/単発/私と他人、みえている世界は同じ?
17.
「耳をふさいで目を閉じて、現実から逃げてるのは勝手だけど、手を差し出されても貴方はそれに気づけないよ」
時を渡る魔女はそれだけ言うと、明るい外へ去っていった。
残されたのはぼくひとり、遠退く足音に背を向けた。 #twnovel
- 2010/08/10 12:08
FT/魔女/耳をふさげば聞こえる言葉も聞こえない
16.
扇風機にあたりながらだらだらとすごす。
蝉の声を背景に、寝転んだままテレビをつけた。
ワイドショーだと思った画面の向こうは祈りに染まっていた。
なんとなく姿勢を正し遠いあの日を生きた人達へ祈りを捧げる。
そしてどうか日常がいつまでも日常でありますようにと願いもこめて。 #twnovel
- 2010/08/06 06:34
現代/単発/今日は広島の日
15.
おうまに乗るのは早く逢いたくて、帰りは名残惜しさにうしさんで。
大切な人の為に緑の馬と紫の牛を。そして目印に火をたくの。
アルミの上で燃える火にりぃんとおとがなる。
今年は火をたけないしおうちも違うけれど、迷わず帰ってこれるだろうか? #twnovel
- 2010/08/04 12:11
現代/単発/初盆
14.
ひとつふたつと増える×印。今日の空はどこまでも青く蒼く雲ひとつない。
遠いとおいあの日はどうだったの?
灰色のアスファルトにのびる影はいつにもまして濃く、
蝉と子供の声は晴れ渡った空に溶けるように消えた。 #twnovel
- 2010/08/04 11:58
現代/単発/広島の日まであと何日?
13.
名を継ぐことははじまりの意志を継ぐことに等しいと魔女は言った。
<はじまり>はまだ魔女が珍しく、それ故自由がなかった時代に生まれた。
誰よりも自由であれ、何者にも縛られず何者をも縛ることなかれ。
彼女が残した言葉と同じものを投げられて「私は誰よりも自由だ」と答えた。 #twnovel
- 2010/03/27 10:24
FT/魔女/名を継ぐ意味とその覚悟
12.
早朝の通りを進む。
世界に自分しかいないのではないかと錯覚するほど人どころか車とすれ違うことがなかった。
いい加減不安を覚えたころ、カァ、と烏の声が何処かから聞こえ、
人類最後のひとりにはなりたくないものだとひとり呟いた。 #twnovel
- 2010/03/26 11:01
現代/単発/だれもいない世界はいやだった
11.
言葉とともに淡い桃色の花冠を贈るのだと知った。
けれど花冠なんて作ったこともなく、ようやっと出来上がったそれは酷く不格好なものになった。
例えどんなものでも彼女は喜んでくれるだろう。
けれど、それでも――どうせ渡すならば。
彼は桃色の花に手を伸ばし、ため息を吐いたのだ。 #twnovel
- 2010/03/25 13:44
FT/単発/赤目の青年から青目の少女へ
10.
蝋燭の頼りない光が煙って見える中、明けない夜はないのだと古いラジオは歌っていた。
歌い手は男で、低めの声が耳に心地良い。
ラジオの中で男は歌う。
夜が明けて朝が必ず来るように、その悲しみは癒えるのだと。
本当に、そんな日が来るのか……今のわたしにはわからなかった。 #twnovel
- 2010/03/09 12:35
現代/単発/蝋燭と立ち昇る線香の煙の中で
9.
部屋へ戻ったのは日付が変わる直前。
電話は録音の存在を告げ緑の光を点灯させていた。
――生まれてきてくれてありがとう。
そんな言葉ではじまったのは母の声だった。熱くなる目元をこすりながら、私は笑う。
ひとりぼっちで今日を終えると思っていたのに、とてもうれしかったのだ。 #twnovel
- 2010/03/04 12:32
現代/単発/或る人で捧ぐ
8.
振り続ける雨に男はため息を吐いた。
養い子たちは既に夢の中だが、雨は止む気配すらみせず今に至る。
久しぶりに休みがとれたのだから明日は遠出しようと話していたのだが……。
男の気持ちを知らない空は未だ分厚い雨雲に覆われ、
子らの作ったお呪いの白い人形が風に揺れていた。 #twnovel
- 2010/02/26 11:34
FT/工房/アトリエの主とその養い子
7.
今日はいいお天気で暖かな日差しは眠気を誘う。
お気に入りのソファでうんと伸びをして、あくびをひとつ。良い夢が見れそう……
「みぃ! そこにいたら掃除できない」
だったけどご主人さまに怒られたら仕方ない。
にゃあんと鳴いて、その場を離れる。次は、リビングのテーブルの上だ! #twnovel
- 2010/02/20 12:49
現代/単発/にゃんこの日常
6.
僕は何も持っていない。
記憶どころか名前も家族すらも。
僕は愛を、時に憎悪を口にする。
剣を手に戦場を駆け、或いは神へ祈りを捧ぐ。
僕は私で俺でもあるのだ。
気がつけば僕はいつもそれらを持っている。
僕に名を、記憶を、家族を。贈ってくれたあなたに―――ありがとうを伝えよう #twnovel
- 2010/02/13 16:17
-/単発/彼は<主人公>、あなたは創作主さん
5.
例えば、君が住む世界は今滅びようとしている。
君は原因である魔王を討たんと、数多の苦難を乗り越え彼の前に立つが、滅びの真の原因が人間にあると知る。
魔王を廃除せねば滅びが、されど人をも消さねばいずれは…さて君はどうする?
ああ、答はいらないよ、人間! #twnovel
- 2010/02/13 14:31
FT/単発/時をさまよい歩く者
4.
「すき、好き、スキ……。いくら言葉を重ねてもホントウはわからないものよ。
だって人は愛を囁やくその言葉を使って偽りを告げるから。ホント、人間って不便よねぇ」
嘘が吐けない魔女はくつくつと笑うと、
「だからお前のその言葉は信じないわ」愛を告げた青年に冷たく吐き捨てた。 #twnovel
- 2010/02/09 12:12
FT/魔女/時を渡る魔女、ルディス・イェーラ。
3.
「だからこそ人は言葉を重ねる。
相手の心が分からない以上、言葉と行動でしか己の思いを伝えることができないんだから」
魔女の冷たい眼差しを真っ向から受けて青年は言い左手を差し出す。
「……もしも腹を裂いて真実が分かるならそうしたいくらい。何度でも言うよ、君を愛している」 #twnovel
- 2010/02/10 11:02
FT/魔女/魔女に恋する青年、アデル・マイン。
2.
#twnovel 「まだ20日もある」門番の男は許可証の日付を指差し言う。
入国を申請したのは1月前だったが、許可日と書かれた文字を見落としていたらしい。
落ち込む私に男は苦笑すると通用門の鍵を開けた。
「早く通せと煩い待人がいるんでね」
特別だと言って彼は私の背をそっと押し出したのだ。
- 2010/02/07 12:17
FT?/単発/49日前、通行許可。待ちたる人へ
1.
#twnovel 同じ顔に同じ声。
それだけじゃなくって服の好みや好きな本、音楽も食べ物の好みまで一緒なのだ。
私たちはこの広い世界に1人だけの私たち。だから「いつまでもいっしょだよ!」
私は、私に笑いかけるのだ。
- 2010/02/05 14:32
現代/単発/鏡に向かって歪んだ過剰な自己愛