蝋燭の灯りにゆらゆらと影は揺れて。
「Ah... Et Gudy, Nea Fealy」
かたりと術具を机に置くと、男は嬉しそうに呟いた。
一歩下がると、ほうと息をつき、男はソレに愛おしそな視線を向ける。
それは、丸い硝子で出来た、一抱えほどの大きさの容器だった。
密閉されたその中は墨色の水で満たされていて、その中に大きさも色もばらばらの小さな硝子玉がたくさん浮かんでいた。
「Ya Et Gudy Nea Fealy」
もう一度、確かめるように男は言うと、
「Patit!! Patit! Wia'z buiet ana et jastnat!」
子供がするように両手を叩いて喜び、部屋の外にいる友人たちを呼びに行く。
後に残ったのは、机の上の硝子容器のみ。
それは蝋燭の灯りに揺らめいて、きらりきらりと、色とりどりの光を放っていた。